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日本の中小企業の力、岡野雅行社長

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日本の技術力を支えてきたのは、町工場などにある普通の中小企業であったという話はよく聞かれます。
普段私達が生活をしている中では、中小企業というと下請けのイメージが強く残っていますが、特に戦後間もない時期から高度成長期にかけてできた町工場の中には、決して大企業などでは開発することができない、優れた開発能力を持ったところがたくさんあります。
その中でも特に独自の技術力を持っていることで高い評価を受けているのが、東京都墨田区にある従業員6人という零細企業、岡野工業です。
岡野工業はその規模の小ささに似つかわしくない、高い技術を持った町工場であり、社長の岡野雅行氏は、これまで数々の優れた工業製品を開発してきました。
その製品の中にはNASAでの使用のために依頼を受けたものまであり、まさに日本の零細企業の代表的な存在になっています。

岡野工業はもともとは、岡野雅行氏の父親が経営していた金型工場が前身となっており、二代目として生まれた岡野氏は1972年に父親から経営を引き継ぎ社長となりました。
それ以前にも工場では何度も雑用仕事をさせられてきたといい、そのときの経験が自分でものを作って売るという気持ちの原点になったと著書の中で語っています。
岡野工業は雅行氏が社長になると同時に社名を現在のものにあらため(元は岡野金型製作所)、事業内容もプレス加工の方を重点的に行うようにシフトしていきます。
プレス加工は当時から生産設備開発のための重要な機器製作機材となっており、時代の流れに応じて業種を変化させていったと見ることができます。
このような身軽さも、規模の小さな町工場ならではのことといえるでしょう。

その後、緩まないネジを作るための「深絞り加工」や、世界最細い注射針である「痛くない注射針(ナノパス333)」、リチウムイオン電池ケースといった、小型化、軽量化の時代要請に合わせた製品開発を続けてきました。
技術力の高さが評価されたことにより、テレビや各種メディアにとりあげられる機会もふえてゆき、現在でも講演や著書の発行など広く活動をしています。
岡野雅行氏は江戸っこらしい独特の語り口や、ユーモアのある口調などからとても人気があり、多くの人に好かれる存在となっています。
製品開発のモットーとしているのが「『出来ない』といわれると俄然成功させたくなる」ということで、今もなお、「誰にも出来ない仕事をする」ことを目標に精力的に活動しています。


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